広川太一郎さんってば、ちょんちょん！

早朝の地震で中途半端に起きちゃったもんで、昼頃に起床。ぼんやりした頭で新聞を読んで……一瞬にして目が覚めました。

声優の広川太一郎さんが亡くなったとのこと。享年68歳。癌だったそうです。

私にとって広川さんと言えば、アニメでは『名探偵ホームズ』のホームズでした。イメージぴったりの渋い声……と思ってよく聞いてみるとなんか言葉の端々にカオスが混じっていて（笑）、本編そっちのけで魅入ってしまいました。
他にも、前情報なしに見た『MEZZO』で主人公格のキャラクターの声を当てられてたなんてこともありました。いやもうビックリしたのなんのって。相変わらずの軽妙洒脱な語り口がたまりませんでした。

吹き替えでは、『スペース・カウボーイ』が強く印象に残っています。あれはテレビ東京だったかな……こっちは軽いけど格好いい役柄でした。そう、元々声が渋くていいので、おちゃらけなしでも充分素敵なのですよ。残念ながら、DVDでは別の方になっちゃってました。TV版、もう一度観たいなぁ……。
それと、ダメ映画『クイーン・コング』を最後まで観ようって気にさせてくれたのは、広川さんの吹き替え……というか作中ツッコミ（笑）があったお陰です。

そして何といっても、モンティ・パイソンのエリック・アイドルの吹き替え！　元のエリック・アイドルからして言葉を巧みに操るタイプの笑いを得意としているから、相性は当然ながらピッタリでした。モンティ・パイソン日本語版の中でも随一の名訳と言われる、"Nadge, Nadge!"をアドリブで「このぉ、ちょんちょん」としたそのセンス、やっぱりこの人はすごいなぁ。

もう、あの広川節が生で聞けないのは残念です……5/21に発売される、モンティ・パイソン映画第１弾 『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』 のデラックス・エディションDVDのナレーションが最後のお仕事だったそうです。癌で体中が痛かったでしょうに……その魂を受け継ぐためにも、ファンとしては買わなければなりません！　たとえ、2002年発売のDVDをすでに持っていたとしてもっ！

なお、このデラックス・エディションと同日に、10年前の復刻フィーバーのときにも発売されなかった（版権の関係でダメだったらしい） 『ライフ・オブ・ブライアン』 のDVDも発売されます。こっちも買わなきゃです！

『ライフ・オブ・ブライアン』のラスト、主人公ブライアンが磔にされるシーン。隣に並んで磔にされている、エリック・アイドル演じる囚人が歌うのが、以前ナイキのCMにも使われた名曲 "Always look on the bright side of life" です。この歌が日本語化され、広川さんの手で歌われているワケではないでしょうが、この曲のマインドで、広川さんのご冥福をお祈りしたいと思います。

広川さん、今までありがとう。あの世でも、よろしくやっちゃったりしちゃってくださいってば、ちょんちょん！